生き物にとって備わった能力は、過不足なく与えられていて、何一つ欠けても不自由だということは、自分が小さな怪我をした時に痛感します。
ですが、ザリガニの失明と聞いても、特に不自由はないのでは・・・と思ってしまうのです。
ただし、故意に眼(眼柄(ガンペイ)ごと)を切り取って、結果的に失明させることとは違います。
ザリガニの目は複眼で、しかも物の陰と明るさを感じることができるほどで、ほとんど長い触覚で探知していると聞いたことがあるからです。
こんな私の考えが正しいかどうかを確かめてみたいと思います。
ザリガニの眼について
調べてみると、ザリガニの眼は、額角(頭の先の尖った部分)の左右にある眼柄の先に付いています。
簡単にいうと、眼柄の先の部分にある黒い球状のものが眼です。
例えるなら、りんご飴の様なイメージをすれば良いのではないかと思いました。
視力は、あまり良くなくて、光の中の黒い影の動きが一番良く見える様です。
失明の原因
実は、かなり探しましたが、ザリガニの失明の原因はなかなか見つけることができませんでした。
その中で唯一、当てはまりそうな内容がありましたので書くことにします。
・病気:水カビ病
病気の様子は、見た目は綿(ワタ)が付いた様に見えます。
この病気は、寄生虫に寄生された個体の傷口に病原菌が侵入することで発症します。
病原菌が眼に侵入すると眼にカビが生えた様になり失明につながります。
・眼と眼柄の切除:この作業をすると個体が急成長します。
ですが、脱皮をしても眼は再生されませんので、2度やれば「両眼のない個体」になり、結果的に失明(状態)になります。
治療と回復の見込み
・病気:個体が健康(体力がある)なら、こまめな水換えで回復が見込めるそうです。
薬剤(メチレンブルーなど)も使用できます。
この2つの方法を試しても、必ず回復するとはいえないそうです。
さらに、治療を行っても水槽の底にしっぽを丸めてうずくまる様なら、諦めなければならないかも知れません。
金魚の場合は、「塩分治療」という方法もありますが、ザリガニの場合は、急な塩分濃度の変化に耐えるのが難しいので、時間をかけてゆっくりと塩分濃度を上げていくことで可能になりますが、しっかりとした確実な知識がないまま挑戦するのは、お薦めできません。
・眼と眼柄の削除:足などは脱皮で再生できますが、眼と眼柄は再生しません。
一生、盲目となりますから回復の見込みはありません。
水カビ病の予防法
水カビ病の原因は、個体が負った傷口や寄生虫に付けられた傷口から菌が侵入することから始まる様です。
次のことに気を付けましょう。
・水槽内の設備の安全性の確保
水槽内の設備の割れやヒビなど、定期的に確認しましょう。
・水槽内に置かれたアクセサリーの安全性の確保
水槽内に置かれた人工の水草や石など、個体に傷などを負わせないか、定期的に確認しましょう。
・水換え時の個体の取り扱いを注意
個体を水槽に残したままの水換えでは、個体が安全な場所にいることを確認しながら、脅かすことなく、静かに行いましょう。
・水質悪化の注意
ザリガニの場合は、餌の食べ残しが大変多いので、すぐに水が悪くなります。
これを踏まえて水換えをしましょう。
・水温落差の注意
冬の水換えは、特に水温変化が起きやすくなります。
水質調整剤を使用しても冷たい水をそのまま水槽に移すのは、個体にとって大きなストレスとなります。
水槽の水温とのバランスを取り、元の水温に最も近付けましょう。
・・・など
まとめ
ザリガニの失明は、病気と人工的な操作によることがほとんどでした。
病気は、環境の整備で防ぐことができそうでした。
アメリカザリガニなどの外来種は駆除対象かも知れませんが、せっかく飼育するためにお迎えしたのです。
最適な環境の中で棲んでもらいたいですね。
また、人工的な失明は、やはり、むやみにやってはいけないことだと思います。
調べたからこそ、考えさせられました。
興味や好奇心のために個体の光を奪うのは賛成できません。
もしかしたら、命を落とすかも知れない脱皮をすることになるのです。
飼育は楽かも知れませんが、ザリガニの生活環境に注意して長く楽しみましょう。
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