ザリガニ(アメリカザリガニを指す)は、餌として輸入されましたが、結果として自然界に放たれました。

たった、20匹ほどしかいなかったザリガニは、その個体自体の丈夫さと繁殖力の強さで、今や、日本全国どこででも目にすることができ、日本固有のザリガニの生存や、日本の植物などを脅かす存在となっています。

それを受けて、「ザリガニを駆除しよう」という呼びかけが広がり、各地で色々な形で駆除活動のイベントが開催されています。

今回は、そのザリガニの駆除について調べてみたいと思います。

⑨ ザリガニ 駆除 方法

ザリガニの原産国と入国の経緯

調べによると次の様になっていました。

・原産国:アメリカ(ミシシッピ川の流域中心)

・入国の経路:1927年にウシガエルの餌として人間が故意に持ち込んだわずか20匹ほどが、逃げ出して繁殖を繰り返すことで、日本全国に瞬く間に広がっていったと考えられているそうです。

以降は日本に定着し、固有の様に身近になりましたが、アメリカから輸入されたので、日本ザリガニと区別するために、「アメリカザリガニ」と呼ばれています。

※ザリガニの仲間は、ハサミがカニと似ているところから「カニ」と名前が付けられましたが、本当は「エビ」の仲間です。

日本におけるザリガニの評価(存在)

調べによると、アメリカザリガニとウチダザリガニ、及びタンカイザリガニは、外来生物ですが、特に問題になっているのが、アメリカザリガニとウチダザリガニです。

この両者は、生命力と繁殖力が強いために、元々棲んでいる生物のバランスを崩す大きな悪影響を及ぼしていることから、環境省からは「要注意外来生物」に指定されています。

さらには、日本生態学会からも「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されています。

タンカイザリガニは、現在までに悪影響を及ぼしたという資料は上がっていないというので、指定は免れていて、保護されているとも書かれていました。

※外来生物:元々は国内(地域)に存在しなかったけれど、人間の操作によって持ち込まれた生物のことをいいます。

ザリガニ(アメリカザリガニを指す)の生命力(寿命)

調べによると、思った通り棲む環境によっても左右されるということですが、平均的な寿命は、3~5年が一般的だそうです。

人間に飼育されたザリガニでは、3~5年で、自然の中に棲むものでは、7~8年ということです。

なぜ、飼育の方が短いのかは、いかに冬を越すかにかかっているということでした。

ザリガニの害について

今や人間の身近な場所(公園の池・田んぼ・ため池・沼・川など)に棲み付き、雑食なので手当たり次第に食べてしまうことが、その地域に住む生物のバランスを崩す大きな問題となっているそうです。

・水に棲む魚や虫など

「絶滅危惧種」であってもなくても関係なく食べてしまうので、新たに絶滅の危機に直面する生物がでることに、危機感を持っているそうです。

・水辺の草や藻など

ハサミを使ってただ切ったり、食い散らかしたりしてしまうので、植物分布のバランスを崩し、結果的に枯れてしまうこともあるそうです。

・農業への被害

稲の苗を食い荒らしたり、ただハサミで切ったり、また畦(アゼ)に穴を空けるなどの被害が出ているそうです。

・・・など

※発生例として、ザリガニが入り込んだ地域で繁殖し、水辺の草や生き物などが全滅させられ、残ったのはザリガニだけだったという報告もあるそうです。

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ザリガニの駆除について

・農薬の使用

駆除するためには農薬をまくことも一案ですが、そうすると、ほかの固有の生物にも悪影響を及ぼすことになります。

それだけは、避けなければなりません。

よって、農薬の使用はできません。

・教材としての使用

子供達の教育のためであっても、教材としては外来種を極力使わない様に声がけをしています。

もし、やむを得ない場合は、ザリガニが「どんな生物」で、「どんな害があるのか」をしっかりと説明して、理解してもらい、使用します。

・自宅での飼育

途中で飽きたり、気が変わったりせずに、最期の瞬間まで、しっかりと面倒を見ていく様にお願いします。

・釣りの餌として使用

釣具店では、「ザリガニ」という名前で、大型の肉食の魚を釣るための餌として販売されています。

スズキやカレイなど、大物が釣れると評判です。

・・・など

「要注意外来生物」と「特定外来生物」の違い

・要注意外来生物

自宅などで飼育することや、販売するなどは禁止されていません。

ですが、自治体によっては移植が禁止されています。

・特定外来生物

自宅などで飼育したり保管したり、その場から「生きたまま」で持ち出すことは禁止されています。

アメリカザリガニを食用にする

アメリカザリガニは、「要注意外来生物」の指定を受けています。

ですから、自宅で飼育ができるのですが、このアメリカザリガニを国の関連機関や自治体や民間などで、「外来生物を食べることで駆除しよう」という催しが開かれている様です。

ただ捕獲して命を絶ち、廃棄処分するのは「命」に対して、大変失礼に当たります。

そこで、「命」に感謝して美味しくいただこうと考える人達です。

そうすることで、駆除につながると考えるからです。

ですが、ここで一つ大切なことがあります。自然の中で棲んでいるアメリカザリガニを食べる場合には、農薬などの薬品や汚水などに汚染されていないことを十分確認することが必要と思われます。

まとめ

今や、爆発的に繁殖してしまったザリガニ(アメリカザリガニを含む外来種)です。

たくさんの被害もあちらこちらで確認されている様です。

アメリカザリガニは、その増え過ぎたことにより、「要注意外来生物」に指定されています。

この指定に留まっているからこそ、自宅で飼育したり、自宅で調理したりなどできる訳です。

私自身、アメリカザリガニを駆除の目的で美味しくいただくという概念がありませんので、「自宅で飼育する」と「自宅で調理する」との間には、とても届かない溝があります。

ですが今回調べてみて、「アメリカザリガニを食べる」ことを推奨しているたくさんの催しがあるのを見て本当に驚きました。

自分からは調理できませんが、黙って出されたら分からないまま食べてしまうほど、その味は美味しいと書かれていました。

なかなか市場に出回るには、見合わないということもありますが、駆除は早く進むのではないかと思いました。

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