硬い甲羅(外皮)で覆われ身を守っているザリガニは、体の成長とともにその外皮を脱いで(脱皮)、内側から作られた、一回り大きい外皮になり成長していきます。
脱皮は、子どものザリガニだけでなく、大人の個体にも行われます。
大人の場合は、大きくなるというよりは、傷ついて古くなった外皮を脱ぐという意味合いの方が強いです。
飼育下におけるザリガニの脱皮の際の注意事項を調べてみました。
脱皮をする前のザリガニの行動とは?
脱皮の前のザリガニの行動に何かサインはあるのでしょうか。
脱皮が近づくと、ザリガニは餌を食べなくなり、動き回らなくなります。
その時、外皮を硬くしているカルシウムが血に溶け出し、「胃石」として体の中に蓄えられます。
やがて、甲羅と腹部の間の関節がのびて、白く見えるようになったら、それがまもなく脱皮のサインです。
注意することは、脱皮前だけでなく、脱皮後もザリガニには触ってはいけません。
胃石とは、直径1㎝ほどの白くて丸く、ややつぶれた偏平の形をしているカルシウムのかたまりです。
この胃石によって、新しい外皮を硬くしていくのです。
脱皮後の注意とは?
いよいよザリガニの脱皮が始まります。
甲羅と腹部のすき間ができ、やがて古い甲羅の殻が持ち上がってきます。
そして、新しい外皮をまとった頭胸部がでてきました。
古い外皮から頭が抜け出ると、ハサミや触角や脚をひきぬきます。
あとは、ジャンプするように腹部の外皮を脱いで脱皮は終わります。
脱皮したての体は、甲羅もハサミもまだ柔らかいです。
体内に蓄えておいた胃石のカルシウムが血に溶け出し、外皮に送られて少しずつ硬くなるのです。
もとのような硬い甲羅になるまでには数日かかります。
脱皮後は体が柔らかいため共食いの犠牲になってしまいます。
小さなザリガニの場合、同じ水槽で飼っているザリガニから守ることが必要です。
脱皮した後のザリガニの砂浴びって?
ザリガニの触角には長いものと短いものがあり、そのうちの短い、第1触角とよばれるものの第1節には、表面に「聴のう」とよばれる穴が開口しています。
聴のうとは、ザリガニの平衡感覚器です。
聴のうの穴の中にある砂の動きで、体の傾き具合を知ることができるのです。
脱皮した後のザリガニには、聴のうの砂はありません。
砂は、脱皮した殻とともに失われるからです。
聴のうの穴は、眼のある頭のあたりにあります。
新しい聴のうに砂を入れるため、歩脚のさきについている小さなハサミを使って、ザリガニは、頭にさかんに砂をかけます。
まとめ
脱皮したてのザリガニが柔らかいのは頷けますね。
自然界のザリガニにとってもっとも危険な時期は、甲羅が柔らかい脱皮後です。
この時期は外敵に狙われやすいのです。
小さなザリガニの子どもは、脱皮した後の脱皮殻を食べます。
殻に残ったカルシウムや養分を再利用しているのです。
そういえば、赤ちゃんザリガニをたくさん飼っていた時、脱皮した殻がいつのまにかなくなっていたのは、こういうことだったんですね。
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