ザリガニは、とても馴染みのある生き物ですよね。
小学生の夏休みに、友達とザリガニを釣って遊んだことを思い出す人もいるでしょう。
釣ったザリガニを家に持ち帰って、飼ったことのある人も意外に多いのではないでしょうか。
中には、ザリガニをしげしげと観察した経験を持つ人もいるでしょう。
今日は、あの頃に戻って、ザリガニをしげしげと見直してみようと思います。
ザリガニの外見(表面)について
調べてみたところ、ザリガニの外見的な部位説明は次の通りです。
・第一触角(小触角):内側にある短い方
・第二触角(触角):長い方・目立つ方
・額角:触角の間の部分
・眼:額角の両端にある部分
・頭胸甲:頭部分
・背板:しっぽに続く節部分
・第一歩脚:餌を挟む一番大きなハサミ
・歩脚:移動に使う小さなハサミ
・尾節と尾肢:しっぽ部分
せっかく調べてみましたが、ザリガニの「石」に関しての説明はありませんでした。
「石」については、もう少し調べてみないと分かりません。
ザリガニの脱皮について
・ザリガニの脱皮とは、成長するために「小さくなった殻を脱ぎ捨てる」ことです。
・脱皮の順序
①脱皮には兆候があるそうです。
2~3日前から食欲がなくなります。
②脱皮が始まるこの間に、殻のカルシウム分を「胃石(イセキ)」という部分にためます。
古い殻が色あせたり、多少薄くなったりします。
③その瞬間がくると、古い殻が体から離れ、隙間ができます。
頭胸甲と背板の間にできた隙間が広がっていきます。
④ザリガニが「くの字」になります。
数分をかけて、身をよじったり屈伸したり、かなり苦労している様に見えます。
⑤最後の一瞬で、外見にあった全ての部位が、するりときれいに抜け出ます。
これで脱皮は終了です。
脱皮の弱点
脱皮をした直後は、全身が柔らかいので天敵には格好の餌食になります。
全身が元の様に固くなるまでには3~4日かかるそうです。
その間は、命がけの時間を過ごさなければなりません。
脱皮の弱点をカバーする
できるだけ早く全身を元通りの固い体にしなければなりません。
その時に役に立つのが、脱皮前に「胃石」という部分にためておいたカルシウム分です。
このカルシウム分を今度は新しい殻に戻していきます。
それと同時に、脱ぎ捨てた古い殻を食べることによってもカルシウム分の補給をします。
体の中からと外からのカルシウム分の補給により、早く元の固い鎧の全身に戻っていきます。
※海の中に棲んでいるエビなどは、脱皮しても自分の抜け殻は食べないそうです。
それは、海水にカルシウム分が豊富に溶けているからだそうです。
胃石(イセキ)
「脱皮」のところで、やっと名前が出てきました。
外からは観察できなかった部分ですが、脱皮後に元の硬い体に戻るための必要なカルシウム分を蓄えておく場所、その器官を「胃石」というそうです。
ザリガニやカニの様に体を固い鎧(殻)で守られている生き物は、成長に合わせて脱皮をしなければ大きな体にはなれません。
ですが、脱皮後、元の硬い殻に被われた体に戻るまで待っている時間は、天敵などに命を狙われる危険な時間でもあります。
その時間を少しでも短縮してくれるのが胃石にためたカルシウム分だったわけです。
調べによると、胃石には、そろそろ脱皮時期になると、脱皮前の殻のカルシウム分を血液の中に溶かしてため込み、脱皮後の新しい殻(柔らかい殻)を固くするために、また血液の中にカルシウム分を溶かして新しい殻に送り込む働きがあるそうです。
ザリガニを表から見ているだけでは分からないところに、ザリガニの一番弱い時に大きな助けとなる器官が隠れていたわけです。
胃石の確認と形状
実際に胃石を目にできるのは、ザリガニが生きている内ではありません。
例えば、ザリガニは、環境によって、時々共食いをします。
その時の敗者の体内から発見される以外、普段は目にすることはできません。
壮絶な戦いのあとに残る白い二つの石、これこそが「胃石」なのです。
胃石は、マッシュルームの柄を取った様な形をしていて、胃の付近に縦に並んで存在します。
まとめ
今まで「脱皮」と聞くと、あまり気持ちの良い感じはしていませんでした。
ですが、今回ザリガニの脱皮に関わる「胃石」ついて調べてみると、命がけの脱皮から、できるだけ早く元の硬い体に戻るために考えられた素晴らしい仕組み、リサイクルシステムがあることを学びました。
脱皮は、子供のザリガニで年に8~10回、大人のザリガニで年に1~2回するそうです。
また、体の損傷(足が取れたなど)がある場合は、さらに回数が増える様です。
繰り返す脱皮に備えて素晴らしい働きをする胃石だからこそ大切に体内に保護されています。
ですが、私達が目にできる機会は、壮絶に命を落とした時だけという胃石に、何ともやりきれない思いがしました。
「胃石」に関しては、胃石が目の上に位置していたせいか、眼の病気に効く薬だとして、江戸時代には重宝されていたそうです。
名前を「オクリカンキリ」と呼ばれ、庶民の間に浸透していたそうです。
こんな古い時代に、すでに内部に「胃石」が存在していたことを知っていたということにも驚きでした。
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