『オクリカンキリ』という言葉を知っていますか?
なかなか耳にすることはないと思いますが、ザリガニの胃石を指します。
このザリガニの胃石、かつては目の病気に効果があるといわれ万能薬として利用されてきました。
その効果とは、如何なるものだったのか調べていきたいと思います。
ザリガニの胃石とは。
ザリガニの胃の中(目の後部)に、白くて小さな丸い二つの粒を発見することがあります。
大きさは1㎝ほどでしょうか。
子供のザリガニならばもう少し小さめです。
これは一体なに?と不思議に思いますよね。
これが『胃石』と呼ばれるもの。
ザリガニは脱皮をする為に必要なカルシウムを胃石としてストックしているのです。
脱皮の数日前から形成され脱皮後は柔らかいカラダを早く硬化する為に血液を通して供給されます。
早く元の硬い甲羅を作らないと、脱皮後のザリガニは敵に狙われやすいのです。
淡水で生きる彼らにとっては生息地の水質では炭酸カルシウムを摂取することが難しい為、自らの体でやりくりしてカルシウムを上手に蓄えなければならないのですね。
さて、この胃石は江戸時代にオクリカンキリと呼ばれ万能薬として処方されていました。
ラテン語でオクリ・カンクリ。「カニの目」という意味だそうです。
西洋から伝えられたものでシーボルトが好んで用いていたと記されています。
主に、眼病、肺病、泌尿器系、子供のひきつけ等の病気に効果があったそうです。
ここまでくると本当に万能薬ですね。
残念ながらこの薬がどこまで効果があったのかを追及することが出来ませんでしたが、海を渡って伝えられ、現代にも記録が残っているということは多くの人を助ける薬だったのだろうと想像が出来ます。
もちろん現代の発展した医学において用いられることはありませんが、昔の人々においてはこの胃石が重宝されていたことには違いありません。
まとめ
体内にカルシウムをためて、また新しい殻に蓄える仕組み、とても便利ですね。
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